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WORKMANSHIP

ロードバイクのように運用型広告も楽しみたい…みたいな気持ちはあるダイスケさんは、運用型広告の仕事に疲れたら、ロードバイクにときどき乗る

ロードバイクのように運用型広告も楽しみたい

みたいな気持ちはあるダイスケさんは、運用型広告の仕事に疲れたら、ロードバイクにときどき乗る

(direct) / (none) の大量セッションの恐怖! アプリからのアクセスは解析データが崩壊

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これは以前、ウェブ制作会社でリスティング広告の運用を担当していたときの恐怖体験。

ウェブ解析における困ったお話です。

予算チェックや CPC の微調整などをやったあとは、ECサイトのプロモーションのアカウントなんかは Google アナリティクスでコンバージョンのチェックや設定していればEコマースのトランザクションもチェックします。
広告以外でどんだけ入っているとか、アシストがどんだけ出ているかどうかとか、毎日眺めるのもルーティンです。

そんな感じで、まだ寝ぼけ気味の脳の回転を徐々に早めていくはずだった、とある月曜日。
その朝に起こった出来事の一部始終です。


目次

  1. ( direct ) / ( none ) による大量セッションが突如発生!
  2. 突き止た! ( direct ) / ( none ) の根源
  3. アプリからの遷移はすべて ( direct ) / ( none ) になる?!
  4. まとめ

 

1. ( direct ) / ( none ) による大量セッションが突如発生!

そのクライアント様のサイトは、2015年9月に公開されたばかりの輸入食材を取り扱うECサイトです。

公開と同時にリスティング広告を併用して集客をしていますが、1日のセッションがまだ200にも届かない、よちよち歩きのサイトでした。

いつものように Google アナリティクスの指標をひと通りチェックしていると、トップに出ているグラフの形がなんか変なのに気づきました。
折れ線グラフの右端、昨日に当たる位置のグラフが非常に高くとんがっていて、その前日まではほぼ平坦。
まるで自転車ロードレースのコース図を見ているようで、平坦コースのゴール手前2キロから超級山岳登りで山頂ゴールみたいなグラフ(わかりづらい?)になっていました。

それで、なんだ?と思ってセッション数をよく見てみると、たった1日で1万を超えているのです!

公開して1か月もたたないサイトが、いきなり1万もセッションを出しているなんて何かの不具合としか思えず、注意深く各項目をチェックしました。

しかし、生まれてはじめて、たった1日で1万を超えるセッションをたたきき出すサイトに出会ったため、多少パニックになりました。

とにかく、まずは出どころをチェック。

一旦、冷静になって Google アナリティクスで「集客」→「すべてのトラフィック」と踏んで「参照元/メディア」を見ました。

 

これをチャックすれば、今このサイトに何が起こっているのかわかるはず・・・

 

慌てる必要はない・・・

 

そして、出てきた結果は・・・

 

( direct ) / ( none )

 

つまり、ノーリファラー(参照元なし)。

 

えっ?!

 

って、またパニック(2回目)です!

 

とりあえず、どのコンテンツにアクセスが集中しているのか見ることにしました。
「行動」→「サイトコンテンツ」と踏んで「すべてのページ」で URL をチェックしてみると、スマートフォンサイトのセッションだけが異常に高いのが解りました。

そのサイトはショップサーブで構築したECサイトであるため、PCページとスマートフォンページは別々の URL で運用されており、PCページはスマートフォンでアクセスするとスマートフォンページにリダイレクトされる仕組みを仕込んでいました。

つまり、アクセスのほとんどはスマートフォンからと判断できます。

案の定、デバイスの指標を見ると iPhone や Android 系スマートフォンの機種名がズラリでした。
しかも、ほとんどのセッションが1秒足らずの離脱で非常に質の悪いセッションです。

しかし、 ( direct ) / ( none ) については謎。

想定される ( direct ) / ( none ) の流入はブックマーク、URL直入力、ダミーパラメータを振っていないメルマガ。
スパムなら リファラー( referral )で送ってくるはずですので。

 

2. 突き止た! ( direct ) / ( none ) の根源

このクライアントにはアクセス解析の依頼は受けていないので、ここまでする必要はあるのかと言ったらないのですが、とりあえず気になるし、クライアント様のウェブ担当者様もまだこの件に気づいていないのは確実なので、とりあえず報告ついでにこの件に心当たりがないか問い合わせてみました。

不意打ちでメルマガ撃ってたらキレそうになるところでしたが、そのウェブ担当者様はこの異常値に全くの身に覚えがないとのこと。
それにECサイトを始めて1ヶ月も満たないのに、メルマガで1万ものセッションをたたき出すほどのリストをこのクライアント様が持っているわけがないのです。

この謎の ( direct ) / ( none ) が、一体どこからの流入なのか。
その痕跡をサイトコンテンツのトラフィックから探っていると、妙なパラメーターのついてURLを見つけました。

 

/index.html?justsystems=Answerz

 

このパラメータ自体のトラフィックは数百程度なのですが、明らかに私どもで付けたパラメータではなく、外部からのリンクに設定されたものであることは明らかで、不可解なパラメータです。
justsystems って、あのジャストシステムのことか?と思い、とりあえず、justsystems=Answerz をググってみたら、そのままの名前のアプリが検索結果にヒットしました。

 

その名も Answerz

 

ジャストシステムが運営するアンケートアプリでした。

アンケートに答えてポイントをためると色々な商品に交換することができる仕組みになってて、公式ページなんか見てみると、このアプリでネイティヴアドも展開している様子。
とりあえずダウンロードして、このクライアント様に関する情報がないかアプリを動かしてみました。

すると、あっさりこのクライアント様のECサイトのことを書いた記事が出てきました!

100文字程度のたわいもない紹介文の下には、「あり」か「なし」かだけの簡素なアンケートあり、それに回答すればポイントがもらえて、そのあとに Twitter や Facebook にシェアできるようです。

別にこの記事は、Answerz の宣伝記事じゃありませんので、アプリの内容について詳しく書くつもりはございませんが、ポイントが貯まれば、色々な商品に交換できるそうなんですが、実態は単なる小遣い稼ぎアプリでした。

これを見て「何でネイティブアドなんかやったのよー」と思いつつ、クライアント様に再度お尋ねしましたが、社内に誰ひとりしてこの記事について知る方がいないとのことでした。

私からの身に覚えのない問いに困惑なされたクライアント様は、直接 Answerz の運営会社であるジャストシステムに問い合わせくださいました。

そして、ようやく異常値の謎が解明されたのでした。

 

ジャストシステムの回答は・・・

 

Answerz の編集者がたまたまクライアント様のサイトを見つけたので記事にした。

 

・・・とのこと。

 

確かに掲載するのは勝手ですけど、素人の投稿ならまだしも自社編集で掲載するのなら、ましてやそれなりの反応があることが想定できるメディアなら、なんらかの確認を取るべきではないでしょうか。

この Answerz の対応には正直ムカつきましたが、これで ( direct ) / ( none ) の異常値については一応出どころは確定できました。

 

3. アプリからの遷移はすべて ( direct ) / ( none ) になる?!

ではなぜ ( direct ) / ( none ) になるのか考えないといけません。

前述にもありますが、このECサイトはショップサーブで構築されており、PCとスマートフォンサイトは別々のURLです。
が、スマートフォンでPCサイトにアクセスするとスマートフォンサイトにリダイレクトされるように仕込まれている。

それが仇になって、あの変なパラメーター( ?justsystems=Answerz )が付与されたURLで着地できない可能性。
でも、このパラメーターが付与された状態でも ( direct ) / ( none ) のままですので問題は解決しません。

なぜ、 ( direct ) / ( none ) でが積み重なるかをとにかく調べてみることにしました。
すると、以下の記事に遭遇しました。

 で、アプリのリンクからの遷移はすべて ( direct ) / ( none ) になるということが解りました。

「そんなことも知らなかったのかバカじゃねぇの?」とお思いでしょう。

ええ、私は知りませんでした。

上記に記事を読んで衝撃を受けてしまいましたが、勉強にはなりました。

 

こういうことなら仕方ありませんが、まだ Answerz からのトラフィックを計測する方法はあるのでは?と思いました。

何の確認もとらないで掲載してしまう編集者なのだから、PCサイトのURLをそのまま記事のリンク先に設定したことは容易に考えられます。
ですが、リダイレクトするのを取り除けば、あの変なパラメーターが付与されてURLで Answerz 経由トラフィックを計測できるのではと思いました。

つまり、Answerz に設定されているリンク先をスマートフォンサイトのURLに変更してもらえれば、リダイレクトされずに変なパラメーターが付与されるはずなので、辛うじて計測できるわけです。

そういうわけで、クライアント様経由で Answerz にリンク先変更を依頼してみました。

しかし、Answerz はこれに応じてくれず、現在の掲載に問題があるのなら掲載を中止すると、上から目線な回答を返してきたわけです。
この対応もどうのなの? と思いますが、サイトへのアクセスが喉から手が出るほどほしいクライアント様は、そのまま掲載を継続することにしました。

クライアント様がそう決めた以上、私からは何も言えません。
私のできることといえば、この大量セッションを活かしたリマーケティングだけになりました。

 

4. まとめ

何度も言いますが、Answerz 側もどれだけの反応があるかは想定できたと思うのに、何の確認も取らずに掲載するところには不満はあります。

アプリからの遷移では ( direct ) / ( none ) で送られてしまうのは理解しましたが、ちゃんとリファラーを送っているアプリも沢山あります。
そして、掲載確認さえあれば、こちらからパラメーターを付与したURLを差し出すことはできました。
なぜ、そういう手順を踏めないのか。その運営方針には疑問であります。

また、パラメーターの付け方もお粗末でした。
「?justsystems=Answerz」って一体どういうつもりパラメーターなのでしょうか。
少なくとも Google アナリティクスで計測できるようにしておくのがメディアとして配慮ではないかと思います。

いろいろと納得いかないことだらけでしたが、結局、その週における Answerz からの流入と思しきセッションは約2万にも上りました。
質が悪くても、このアクセスの中から何件かコンバージョンが出るのではとクライアント様は思っておりましたが、その願いもむなしくコンバージョンは僅かに1件でした。

もう Google アナリティクスの画面上の数字はひどい有様ですよ。

 

でも、仮にこのアナリティクスのデータでがっつり解析を依頼されている代理店の立場だったらどう思うでしょうか。

私だったら「データを壊された」と思います。

アナリティクスのデータはもちろんですが、それに付随するリマーケティングリストの質も低下してしまうことになります。
サイトのマーケティングを請け負っている立場からすると、クライアント様からの評価に関わりうる事象だと思います。

この出来事、私的には、ただ単に「アプリからウェブサイトに飛んだときは ( direct ) / ( none ) で計測されてしまう」だけでは終わらせられない出来事でした。

とにかく手の尽くしようがない状態で悔しい思いはしましたが、良い勉強になりました。

ちなみに、今回の件でいろいろ調べたなか、https のサイトから http のサイトに飛んだときも ( direct ) / ( none ) で計測されることを知りました。

まだ対応していないブラウザが多数ありますが、今後、htps化したサイトにはマストになってくるメタタグかもしれませんね。